昔話の「型」的なもの

登場者や物が入れ替わりつつも、昔話の筋運びはけっこう似てるのが多いような気がする。昔話の筋はけっこう独特なんじゃないだろうかと思う。

もし、昔話独特の「型」的なものがあるのなら、そこに好きな出来事や登場者を入れて新しい昔話ができるかもしれない。自分の好きな世界でふわふわと遊んでいられる日が来るかもしれない。そんな夢を見たくて、この項目を作りました。

いろんな理由で興味のわかない話は書き出してないです。(自分の興味のためであって、研究目的ではないため)

主人公のところに動物がやってきて幸運をもたらす。非主人公はその動物を奪い取って自分も幸運を得ようとするが、かえって不幸になる。

猫がネズミをとって食う理由、のような「~の理由」と言う話。

子どものない夫婦に、一寸ほどの小さな子どもが授かる。その子どもは都で鬼からお姫様を助けて、鬼の宝物の力で普通の大きさになり、お姫様を嫁にもらう。そして両親をよびよせて一生安楽に暮らす。

追い出された主人公が、道中宝物を手に入れ、それを使って死んだ娘を生き返らせ、結婚する。しかも嫁二人。

主人公が、となりの家の夫婦喧嘩のもとになっていた「じさが元日に見た夢」を買う。すると、主人公にその夢のとおりの幸運がおとずれる。

主人公が神様に宝物をもらい、それを使って長者の娘の鼻を伸ばす。困った長者は「治した者を婿にする」という。主人公は宝物を使って鼻を治し、婿になる。

主人公が素晴らしい特技を披露して、殿様に褒美をもらう。非主人公がまねをするがうまくいかず、牢屋にぶちこまれる。

主人公のもとに、美しい嫁がやってくるが、やがて殿様が嫁を横取りする。しかし嫁の知恵で、三年後に桃売りになってやってきた主人公と殿様の入れ替わりが成功する。

三人の若者が、長者の娘の婿になるために長者の家で働く。しかし娘は鬼であった。二人の若者は恐ろしくて逃げ出すが、三番目の若者は「鬼の顔はお面で、食べている赤ん坊は餅」だと見破る。娘はこの肝のすわった三番目の若者を婿にする。

弱い動物が、知恵を使って強い動物から自分の命を守る。

子どもが鬼に捕まるが、うまく逃げて、鬼とその仲間を殺して、家に帰ってくる話。

やさしくて働き者のまま娘が、行った先で親切をすると「美しさ」を贈られる。意地悪で怠け者の実娘が同じ所へ行って意地悪をすると、「醜さ」を贈られる。

できると思われた(大きな)者が誰もできなくて、できないと思われた(小さな)者だけがうまくやり遂げる。

幽霊の出る屋敷で一晩(三日三晩)過ごせたら、その屋敷をもらえたり、お姫様と結婚できたりする。

三人の娘が次々に悪魔に捕らわれるが、末娘はうまく悪魔の信用を得て、二人の姉を助けだし、自分も悪魔から逃れて家に帰る。悪魔は焼け死ぬ。

鬼(狼)に食べられてしまった子どもを、鬼(狼)のおなかをハサミで切って助け出し、代わりのものを詰めて縫い合わせる。鬼(狼)は死ぬ。

主人公が結婚相手を探す旅に出て、やがて相手を見つけるが、いつの間にか魔女が結婚相手になりすましている。しかしやがて本当の結婚相手が見つかり、魔女は火あぶりになる。

三人兄弟が順番に世の中に出る。兄たちは二人とも、ずるい雇い主にだまされてお金を取られてしまう。ところが末息子はこの雇い主にたっぷり仕返しをし、取られたお金も取り返す。

貧しい家の末娘が果物籠に隠されてお城に来る。娘はお后に可愛がられるが、それを嫉妬した召使いたちに嘘の告げ口をされ、難しいことをしなければならなくなる。それをやりとげた娘は、欲しいものを聞かれて衣装箪笥(箱)と答えるが、その中には王子が入っている。

三姉妹の末娘が、異国の王子と婚約をする。しかし二人の姉が、王子が置いていった水晶の小箱を壊してしまい、その破片が異国の王子の体に突き刺さる。末娘は王子を助けるために旅に出る。途中で、王子を助ける唯一の方法を偶然耳にし、その薬を手に入れる。そして医者の姿で王子のところへ行き傷を治し、正体を明かして、王子と結婚する。

商人の息子が、放置されていた死人を埋葬してやる。そしてのちに、自分の妻が本当は奴隷商人にさらわれた異国の王女だと知る。商人の息子は嫉妬した王女のいとこに殺されかかるが、いつか埋葬してやった死人があらわれて助けてくれる。(ここから後は個人的に興ざめしたので割愛したいです)

お后が王の留守中に、額に金の星のついた子どもを生む。しかし王の母親は「后は動物の子を生んだ」と王に嘘の手紙を書き、子どもを川に流し、お后を地下の牢屋に閉じ込める。川に流された3人の子どもは同じ人に拾われて育てられる。子どもたちはやがて「ものいう小鳥」を手に入れる。ものいう小鳥は王の前で、今までのことを全て話す。お后は牢屋から出され、魔女は火あぶりになる。

森の中の城に閉じ込められている王の娘のところに、王子が鳥になって会いに来る。ところが継母が窓にピンを仕込んだので鳥が大怪我をしてしまう。娘は王子を助けに行き、道中で王子を助ける薬の在り処を知る。娘は医者の姿で王子のところへ行き傷を治し、王子と結婚する。

貧しい男が、金持ちにしてもらう代わりに末娘を洞穴の若者のところに置いていく。末娘は不自由なく暮らす。あるとき姉二人が来て、開けてはいけない部屋のドアをあけたので、末娘は追い出されてしまう。末娘はあるお城の鶏小屋で子どもを生むが、妖精に連れられて子どもに会いに来た若者がこの城の行方知れずの王子であることがわかり、助けだされる。

ある王の娘が太陽に見初められて、太陽の娘を生む。太陽の娘はすぐに捨てられ別の王さまに拾われ、王子と仲良くなる。しかし捨て子だった太陽の娘は遠くの家に閉じ込められ、王子の花嫁には王家の娘が迎えられる。太陽の娘は色々不思議なことができたので、やきもちを焼いた花嫁が真似をして命を落とす。やがて王子が病気になったときに太陽の娘の身分が明らかになり、結婚が許される。

貧しい一家が、拾ったカニのおかげで金持ちになる。そして二人の息子がそのカニを食べて不思議な力を持ち、世の中に出ていく。兄は王さまになり、弟は毎朝お金が手に入る。弟は道中、ある王女にだまされて不思議な力(カニの足)を盗まれるが、仕返しに王女をロバに変えて宮殿から連れ出す。そして兄が王になっている国に来ると、そこで兄といっしょに暮らす。

双子の王子のどちらが兄かわからないので、王は「自分に珍しい贈り物をしてくれる嫁を見つけたものを次の王にする」ことにする。1人は公爵の娘を連れて帰り、もう一人は猿を連れて帰る。そして結婚式の日の朝、猿は魔法が解けて美しい娘になっており、たいへん素晴らしい贈り物をする。しかし父の王位は継がず、魔法が解けた王国の王になる。

貧しい漁師が、金持ちにしてもらう代わりに海の悪魔に末息子を差し出すことになる。末息子が悪魔に引き渡される日、末息子は悪魔ではなく妖精タカ姫に連れて行かれ、タカ姫のいいなずけとして暮らす。あるとき末息子は両親に会いに行き、その帰り道でタカ姫との約束を破る。怒ったタカ姫は姿を隠してしまう。末息子は長い間探してやっとタカ姫を見つける。

主人公が、死体をどこかへ持っていってくれと頼まれる。どこかへ持って行くと、その先の人がまた同じことを頼みに来る。これが繰り返される。

父親の亡き後、子どもたちが遺産相続でもめる。「世の中に出ていって一番(~)ものが遺産を相続することにするが、誰が一番か決められず、遺産を三等分して決着する。

貧しい家の末娘が、お金を出す人形を手に入れる。人形は盗まれるが、お金を出さないので捨てられる。人形はそばにいた王子の尻に噛みつき取れない。ところが末娘を見た人形が末娘を呼んだため尻から剥がれ、末娘と王子は結婚する。

父親の亡き後、三姉妹の二人の姉が末娘を養うのが嫌になり、王さまに嘘の告げ口をする。末娘は難しいことをしなければならなくなるが、やり遂げて褒美をもらう。姉の告げ口は何度も繰り返されるが、最後は亡き父の祝福によって金の牛が「おまえは王妃になるだろう!」と話す。王は末娘を息子の嫁にする。

七人の王子が城を出て行く。その後に生まれた娘はお后に城を追い出され、森のなかで七人の盗賊(王子)と一緒に暮らす。しかし魔女の指輪のせいで娘は倒れて動かなくなる。盗賊たちはどこかの王さまの金庫に娘を置いてくる。娘を見つけたそこの王子は、娘をあらゆる医者に診せ、1人が指輪を見つけてはずすと、娘は生き返る。王子と娘は結婚し、悪いお后は焼き殺され、七人の王子たちは城に戻る。

ある娘が王子と結婚し、額に金の星のついた女の子と金髪の男の子の双子を生むと約束する。娘が双子を産むと、王子の継母が双子を川に捨て、娘を階段の下に塗り込める。双子は拾われて大きくなり、ものいうオウムを手に入れると、金の星と金髪があらわれる。王子はこの双子を見て食事に招待する。ものいうオウムがすべてを語り、双子の母親は助けだされ、王子の継母が階段の下に塗り込められる。

継母が美しい娘を妬んで、屋根裏部屋に閉じ込める。娘を好きだった王子が、ガラスのはしごを作ってこの家の屋根裏部屋に登って娘に会いに来る。継母がはしごにヒビを入れておくと、登ってきた王子が落ちて破片が刺さって大怪我をする。娘がそれを知り、怪我を治す薬を手に入れて、医者の姿をして王子の怪我を治し、王子と結婚する。

三人兄弟の末息子が結婚することになった相手は動物だった。しかし動物は父親の課題を一番素晴らしくやり遂げるので、家を継ぐことを認められる。すると動物の魔法がとけて、美しい人間になる。

家を出た男の子があるお城にたどり着き、そこで暮らし、やがて水浴びに来ていたアラビアの王女と結婚する。しかし王女は隠されていた服を着たとたん、空を飛んでアラビアのお城に帰ってしまう。男は空飛ぶじゅうたんや兵隊の太鼓を手に入れて、妻を探しだして連れ帰る。

三人の王子が泥棒の血の跡を追っていくと、深い穴の中に続いている。末の王子が穴の中に降り、三人の魔法使いを退治し、囚われていた3人の王女を助けて穴の下に戻ってくる。しかし二人の兄は、王女たちだけを引き上げて末の王子を置き去りにする。鷲に乗って地上に戻った末の王子は、自分だとわからないように変装して城に戻り、金の王女と結婚する。